・最近ランニングが流行っているけど、実際どんな効果があるの?

・ランニングは足や腰が痛くなりそうで心配

・どう始めていいのか、分からない、、、

健康を維持する上で運動は重要な要素です。

しかし、十分に効果と内容を理解していないと、得られるメリットが乏しくなってしまいます。それどころか、間違った方法を続けてしまうと関節痛などの怪我につながる危険があります。

私は日々、理学療法士として患者様のケアを行いつつ私自身もランニングを2年半以上継続しているランナーとして、怪我や自己ベストの更新などを経験してきました。

そこで今回は、ランニングの持つ効果とそれを引き出す方法、ランニングの始め方をランナー兼医療者の目線で解説しました。

この記事を理解すれば、ランニングの持つ心身への効果と、それを最大限引き出す方法を知ることができます。また、ランニングをどのように始めると良いか知ることで、怪我のリスクを減少させることができます。

ランニングの効果とその方法、始める際の注意点を把握して、ランニングは自身の人生を豊かにする良い手段であることを知り、今日より良い明日へ繋げてください。

ランニングの効果

1)血糖値、血中コレステロールの減少

ある研究で有酸素運動や筋トレを継続して実施したところ、以下の効果が現れました。

・高血圧の発症リスクが30%〜50%減少

・血圧の減少効果が運動後、最大22時間持続

・総コレステロール値が3%〜16%減少

・2型糖尿病の発症リスクが25〜50%減少

・耐糖能(血糖値を正常に保つ能力)が向上

これらは運動することによって、消費カロリーが増加するためであります。その過程で体内の脂質や糖分が使われるため、血糖値やコレステロール値が減少するわけです。そして、運動の凄い点は、この効果が運動後も続くことです。つまり、安静時代謝率の向上が期待されています!この効果は男性の方が強く、高齢であるほど大きいことがわかっています!

2)睡眠の質向上

大学生〈男女〉を対象に朝、ランニングを3週間続けるという研究がありました。その結果、ノンレム睡眠(深い睡眠)の時間が向上し、入眠時間の短縮が見られました。

これは、運動することで生じる疲労感が睡眠の質を向上させたと考えられます。

では、朝走ると日中眠たくなるのでは?と思われました。しかし、この研究だと日中の眠気も減少したと報告されています。よって、朝のランニングは睡眠に効果的だと証明されました。ちなみに、私は夜に走るのですが、就寝2〜3時間前であれば睡眠の質を邪魔しないと言われているので夜ランもおすすめです!

3)骨密度の向上

A)ランニングやウエイトトレーニング、サッカーなどの陸上で行うスポーツ選手

B)水泳などの水中で行うスポーツ選手

C)非運動選手(つまり一般人)

を対象に大腿骨の骨密度を測るという研究がありました。

その結果、骨密度が良い順に

A)→C)→B)ということが分かりました。

これは重力による骨への負荷が骨密度を向上させることを表しています。なので、ランニングもウォーキングも骨密度を高める上で有効な手段と言えるでしょう。

しかし、ここで例外があります。

閉経前の40歳〜45歳の女性は水中運動をする方が骨密度が維持・向上されます。理由としては、骨は破壊と再生を日々繰り返しています。そのバランスがホルモンの影響によって悪くなり、骨を壊す細胞が強くなる為です。女性の方はそこを注意して、対策しながらスポーツを楽しみましょう!

4)メンタルの安定化

うつ病度合いをマラソン愛好家〈280分±131分/週〉と運動不足群に分けて比較するという研究がありました。その結果、マラソン愛好家の方がうつ症状が乏しく、ポジティブであることが分かっています。なんともイメージ通りの結果だと思います。メカニズムを話すと、

ランナーズハイという言葉を聞いたことはありますでしょうか?

これは、ランニングをすることで幸福ホルモンと言われるエンドルフィンが分泌されることで生じる多幸感と言われています。つまり、幸福ホルモンを分泌させる機会が多いから、鬱になりにくく、ポジティブでいられるというわけです。ちなみに、メカニズムは別なのですが、適度なトレーニングを継続すると免疫力が向上すると言われています。これも、ランナーは健康的と言われる所以ですね。

しかし、フルマラソンのような高負荷の運動後は免疫力が低下するので、実施後3日間は注意して下さい!

5)インテリジェンスの向上

これは成長期の学生を対象にしたある研究です。

「BMI値が標準値で運動もできる生徒」と「BMI値が標準値でなく運動能力も高くない生徒」を分けて、ペーパーテストを評価するというものでした。

その結果、「BMI値が標準値で運動もできる生徒」の方が記憶力と注意力が優れているという結果が分かったのです。これは脳の神経が優れている為だと言われています。メカニズムとしては、運動をすると脳内の神経生成するBDNF(脳由来神経栄養因子)が分泌されるためです。これによって、脳細胞が増え、学習能力が向上すると言われています。

つまり、体にいいことは脳にも良いことなのです。

アメリカのある学校でも、0限目と称してランニングを相当な負荷で実施するようです。その結果、生徒全員の学力が向上したと言われています。その内容は僕なら拒否したいほど過酷で、トラック1周✖️4を全力で行う、ルールは全力でやり切ること、、、😅

これを昨今の学校で行うと体罰になる、不安たっぷりの内容です🏃

その結果、生徒の学力が上がったのですから、何とも合理的な手段ですね。何はともあれ、運動は脳の活性化にも効果的であり、これは大人でも効果があります。

効果を引き出すランニングとは?

では、これらの効果を引き出すランニングとはどのようなものか?結論を先に言うと、

①走っても関節痛が生じないことを確認する

②実施時間は30分〜60分/日

③スピードは会話ができるくらいゆっくり

④ウォーミングアップをしっかり行う(特に寒い時期)

⑤短期ではなく、長期で取り組む

これを守るだけで、ランニングの恩恵を受ける確率がぐんと上がります。順に解説します。

①走っても関節痛が生じないことを確認する

まず、私が理学療法士として確認したいのは、そもそも

快適に継続して走ることが可能な状態なのか?」です。

もしあなたの体重が、肥満(BMI値が25.0を超過すると一般的に肥満となります)に該当して、股関節や膝関節の痛みを伴っているなら、まずはウォーキングや水中運動から始めるべきです。

理由はランニングは効果がある反面、関節や心臓、筋肉への負担も伴うからです。そして、膝関節痛の代表例に「変形性膝関節症(膝OA)」があります。この疾患の発症と進行を促進する因子に「過度な体重」があります。

そのため、体重減少は必須であるものの、疼痛を呼び起こす運動は控えたいです。可能な運動を一緒に見つけていきましょう。お悩みがあれば、ぜひ質問して下さい。

②実施時間は30分〜60分/日

必要な実施時間は30分〜60分/日であり、これを5日/週以上実施していきます。

いきなり30分の運動を毎日続けるのはハードルが高い、、、

そんな時は、分割しても大丈夫です。イメージは午前15分/午後15分のような形です、3分割してもいいですね。1日の合計運動実施時間でも効果が現れると言う研究結果が、それを裏付けています!朝の軽い運動、デスクワークの合間、夕方の帰宅時間等の隙間時間をうまく活用していきましょう!

そして、これは私の持論なのですが、ハードルが低い行動項目を設定する方が習慣になりやすいです。それが習慣化した後に、30分のランニング→60分のランニングと行動項目の難易度を上げていきます。実際に私も20分のランニングから始めて、今では仕事後に11.0km走ることが日課になっています。

③スピードは「会話ができるくらいゆっくり」

ペースは「会話ができるくらいゆっくりと」が目安です。もし、ランニングウォッチを持っていれば、最大心拍(=220-年齢)✖️0.6〜0.7を目安にして下さい。しんどすぎず、ちゃんと効果のある運動になります。走っていくうちに、どんどんペースが上がってしまう方もいるでしょう。その時は、

今日はゆっくり走る日、明日しっかりスピードを上げて走ろう。

のように、目的を分けて練習するのが良いです。あとは、友達と走るのも良いですね。会話ができるペースなので、退屈しなくて済みます。何より、スポーツの醍醐味である楽しいがないと、寂しいですからね。自分で楽しいランニングスタイルを見つけて、夢中になっちゃいましょう。僕は普段ラジオや音楽を聴きながら、たまに練習会とかでラン友と話しながら走るのが最高に楽しいです!!!

④ウォーミングアップをしっかり行う(特に寒い時期)

先ほど①で述べたように、ランニングは楽しい反面、心身に相当の負荷を伴う運動です。なので、実施前のウォーミングアップは簡単で良いので必ず行って下さい。数々の研究で、その有効性は確認されています。

内容としては、体育で習ったストレッチをベースに「動的ストレッチ」を行って下さい。

肩関節、体幹、股関節、膝関節、足関節が連動して動くようなストレッチができれば理想的です。欲を言えば、その後に地面からの反発をもらうA-stepやB-stepなどを実施できると完璧です!そのステップに関して、別の記事で投稿しているので、参考にしてみて下さい(「接地感です」から読み進めて頂くと、良いとこ取りできます)。

https://ptrunnings.com/wp-admin/post.php?post=175&action=edit

⑤短期ではなく、長期で取り組む

ランニングを続けていくと、なかなか効果を実感できない時期が最初にあります。その理由は、継続することで効果をじわじわ生み出すのがランニングだからです。もちろん、運動実施後の幸福感や、運動実施後の代謝率向上など、即時的に生じる効果もあります。しかし、さらに効果を引き出そうと思ったら、継続しかないです。ここはどうしても譲れないポイントです。なので、私は②で話した持論を提唱しています。

継続こそ、凡人が天才に勝つ手段です。(私は何になるのでしょう、アツくてすいません笑)

有効な手段としては、人を巻き込むのもいいですね。その上で、私おすすめのやり方は、少々乱暴ですが、

「先に大会へ申し込んでしまう。そして、申し込んだら人に言う」です。

これで、もう逃げられません😊

また、言う相手がいないと言う方はSNSを使いましょう。今は有名な方にDMできる便利は世の中です。その人に「〇〇に出ます!(完走します!もOK!)」と宣言しちゃいましょう。目標にしている人や憧れの人に宣言したら、もうやるしかないわけですよ。。。

私もプロフィールに目標を書き込み、皆さんと共有して自分を追い込んでます。あとは、ある研究だと、言いまくると目標達成率が下がるようです。理由としては、言いふらすことで達成した気分になり、それで満足してしまうからと言われています。

なので、一度共有したら、あとはそれに必要な行動を淡々と積み上げていきましょう。私も目標を共有したら、やることを明確にして、ただそれを達成することに注力しています。イメージはこんな感じです(こんなにイケメンなら、良いですね笑)、あくまでイメージです😎

ランニングの始め方

運動習慣が身についてないなら、散歩30分/日からスタート

ランニング習慣がない場合、30分の散歩から始めてみましょう。

代表例がフルマラソンです。マラソンと聞くと、ずっと走らないといけないイメージの方も多いです。でもそれ、少し違います。そもそも、制限時間内にゴールできたら完走です。なので、歩いて良いですし、結構歩いてもゴールできますよ。

なので、まずは散歩からスタートして、1〜2ヶ月くらいかけて徐々にジョギングへ移行し、次第に量を増やしていきましょう。

フルマラソンの完走時間と目安のペースはこちらです。赤枠は代表的な目安のペース、サブ3(3時間切り)やサブ3.5(3時間切り)、サブ4(4時間切り)などと言います。

こういった表を使って、制限時間には最低どれくらいで進めば(走れば)完走できるか確認して、それを目安に練習しましょう。

盲点としては、関門です。これは「5kmは〇時までに、10kmは△時○分までに通って下さい。」という制限時間のことです。結構関門で脱落するランナーもおられますので、それも加味してペース配分を決めましょう。大会が近付いて、目標のペースではゴール出来ないと分かった時が一番絶望します、、、

シューズ、ウェアの選定

大きな、ランニングの魅力だと思っていることがあります。それは、道具が少ないことです。極論、運動靴があれば今からでも始めることができます。だからこそ、靴には拘りましょう。おすすめは、初心者の方は安定性を重視した靴を選ぶことです。

asics、adidas、nikeなどの各スポーツブランドには、目標タイムで靴が分かれています。そして、完走目標であればあるほど、安定した靴が多いです。理由としては、最初は皆いい姿勢やペースで走れると思います。ただ、それを10km、20km、30kmと進んでいくと、姿勢もペースも崩れてきて、怪我のリスクが上がります。その時に足元が安定していると、捻挫や炎症などの怪我を避けることが出来るからです。

私は昔からadidasが好きで、愛用しています。その中でのお勧めは「adidas Evo SL」ですね。これを話し出すと、止まらなくなるので、簡単に言うと、このシューズは

「初心者の本番から上級者のトレーニングまでカバーできる万能シューズ」です。

そして何より、走るのが楽しくなります。これはぜひ、実感して頂きたい、、、

また別の記事でこの辺は綴ろうと思います。

でも、シューズやウェアは自分の好みに合うものが正解になります。その方が怪我のリスクも下がりますし、何より好きな靴と服を身につけて走る気分は最高です!!!

なので、人の意見も参考にしながら、最後は自分の本心に従って決めましょう!失敗しても、それはそれでいい勉強です📚

目標を設定する

最後に目標設定です。原点に戻ります。

皆さんは、なぜランニングを始めたのですか?

それを見失わないでください。

理想をいうと、その行動自体が楽しいものは無条件で継続できます。子供のゲームと一緒です。お母さんに何度怒られても、布団を被って夜通しできますよね。それが見つかった人生は、もう無双モードです。

でも、そうじゃない場合、穿った見方をランニングに落とし込むと、

運動の種類は考えられないほど豊富です。その中で何を得るために、ランニングという手段があるわけです。つまり、

何か達成したい目標があって、それを達成するためにランニングという手段を用いていることになります。その場合は、目標が何かを明確しましょう。その方が継続できますし、継続できなくても違う手段でその目標は達成されるでしょう。これが試行錯誤であり、Try&Errorです。ぜひ、目標を達成するために、ランニングという最高の手段を活用してみましょう!

くれぐれも、手段の目的化にご注意ください!!!

まとめ

最後に記事のまとめです。今回は、ランニングが持つ5つの効果とその効果を引き出す方法、ランニング(運動)の始め方を解説しました。

効果は健康からメンタル、脳への影響まで様々あり、それらを得る為に30分以上のゆっくりペースで走ると良いですよ。あとは無理せず、マイペースに、気分を上げて取り組んでみて下さい。

運動は人生を豊かにしてくれます。そんな運動の一つであるランニングを、多くの方に楽しんで頂けるよう、発信していきます!

今回も最後まで読んで下さりありがとうございました。ぜひ、参考にしてみて下さい。

参考資料

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1521691804000836

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1054139X12001115


Mahdieh Nazari, Mohammad Ali AzarbayjaniA. Review of the Effects of Physical Activity (PA) on Bone Density: Relying on Iranian Studies
Received 2022 May 27; Revised 2022 July 01; Accepted 2022 July 04.
doi: 10.5812/thrita-128483.

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S002239562030916X

ジョンJ.レイティ:脳を鍛えるには運動しかない 最新科学でわかった脳細胞の増やし方 2009/3/20第1刷発行